【早期退職】後悔しないために知っておこう│やめた後のお金と制度

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「いいタイミングだから辞めようと思うんだよね」

営業職でバリバリ活躍していた友人のAさん、いつも明るく元気いっぱいで声がデカイ。
体育会系ど真ん中の明るい性格、困っている人を放っておけない親分肌の優しいAさん。

「アイツが不本意な異動で悩んでいるらしい」、「上司と衝突して落ち込んでいるヤツがいる」、そんな情報をキャッチすると放っておけないAさんは気心の知れた仲間たちを緊急招集。

逆転発想の天才Aさんのおもしろおかしい話を聞けば、どんなに落ち込んでいた人も笑顔に大変身、勇気と元気をもらって明日への一歩を踏み出していた。

そんなAさんからのヒソヒソ話、なにかと思いきや早期退職のお悩み相談。

最近はコロナ禍でお得意の対面営業ができず自分の居場所に悩んでいたAさん。

タイミング良く会社から早期退職の提案があり、決断したいが退職後の不安で今一歩踏み切れないとのお悩み。

調べて分かりやすく伝えるが得意の私、Aさんの元気を取り戻すため早速全力で調査しました。

Aさんと同じお悩みを持つるあなた、この記事を読めば早期退職によるお金の不安が解消され後悔のない人生の選択ができることでしょう。

目次

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後悔しない早期退職まずはお金の安心を

来月から給料が振り込まれないって、ものすごく不安だ。
本当に大丈夫だろうか?

何はともあれ一番の心配はお金の問題。

先輩退職者がよく話していた雇用保険からの失業給付、一体いくら受け取れるのでしょうか。

金額が分かれば安心です、早速計算してみましょう。

■雇用保険 受取り総額の計算方法
1.退職の直前6ヵ月の賃金から「賃金日額」を計算
2.「賃金日額」から「基本手当日額」を計算
3.「退職時年齢」と「雇用保険の加入期間」により受取日数を確認

こんな流れで計算していきますよ。

1.「賃金日額」の計算方法

ボーナスは除いて退職の直前6ヵ月の賃金を180日で割った金額が「賃金日額」です。

通勤手当は賃金に加えてもいいの?

答えはOK、その他にも賃金として認められる手当がありますよ。

  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 日直、宿直手当
  • 単身赴任手当 など

厚生労働省資料:賃金日額の算定の基礎となる賃金の範囲

手当としてもらっている分も賃金に加えることができるのはありがたいですね。

単身赴任中のAさんの場合、毎月の給与に単身赴任手当も加算可能。

「賃金日額」が増えるのを知って喜んでいました。

2.「基本手当日額」から月給の計算方法

「基本手当日額」は退職時の年齢によって計算方法が異なります。

早期退職する方が多い45〜59歳の場合は次の通りです。

賃金日額
(月額)
基本手当日額 失業給付月額
基本手当☓30日
給付率
2,574円〜5,030円未満
(7.7万円〜15.0万円)
2,059円~4,023円 6.1万円〜12.0万円 80%
5,030円〜12,390円以下
(15.0万円〜37.1万円)
4,024円~6,195円 12.0万円〜18.5万円 80〜50%
12,390円超〜16,740円以下
(37.1万円〜50.2万円)
6,195円~8,370円 18.5万円〜25.1万円 50%
16,740円超〜
(50.2万円〜)
8,370円(上限額) 25.1万円

おおむね現役時代の半額で、最大でも25万円と把握しておくと良いでしょう。

45〜59歳以外のあなたは厚生労働省のホームページを確認して下さい。
厚生労働省 基本手当日額の計算方法

営業成績が良かったAさんは高給取りなので給付率は50%、つまりは毎月の収入が現在の半額に。

えっ、失業給付って今の半額しかもらえないの?

さすがに半額はAさんの予想を超えていた様子。

とは言えAさんのお子さんは既に社会人で独立、大きな金額が必要なライフイベントは終了済。
たとえ半額になっても今の生活レベルはなんとか維持できると安心していました。

3.受取日数を確認

受取日数は退職した年齢と在職期間(雇用保険の被保険者であった期間)、それに加え退職理由により決まります。

■会社都合で退職した場合

■自己都合で退職した場合

引用元│厚生労働省ホームページ

自己都合での退職の場合、雇用保険加入期間が20年以上でも給付日数は150日、会社都合での退職でもらえる最大330日の半分以下です。

約5ヵ月の差は大きな違いです。
早期退職は会社都合になるんですか?

厚生労働省が会社都合と判断しているのは次のケースです。

  • 会社の倒産
  • 移転などにより通勤が困難となった
  • 会社都合による解雇
  • 給料の不払い
  • 過度の残業
  • 早期退職(恒常的に設けられている場合は該当しない)
  • パワハラ など

引用元│厚生労働省 ホームページ

Aさんの場合、会社提案の早期退職なので会社都合の認定です。

雇用保険は再就職が決まるまでの収入源。
焦らず納得できる再就職先選びのために安心期間は長いに越したことはありませんね。

4.雇用保険ってすぐに受け取れるの?

雇用保険って手続きすればすぐにもらえるものなの?

退職後の転職先が決まっていない場合、失業給付金は一日でも早くほしいもの。

でも実際にもらえるのは手続きしてから約1ヵ月後です、ご注意を。

具体的な流れを説明しましょう。

①退職後にハローワークで求職の申込み →「受給資格決定」
②7日間の「待機期間」
③雇用保険受給者初回説明会に出席 →「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」
④「受給資格決定」から約4週間後の指定日にハローワークへ
「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」を提出し「失業認定」を受ける
ただし、自己都合退職の場合、給付制限期間が2ヵ月間あるため
初回の受給は「受給資格決定」から約3ヵ月後となる
⑤5営業日後に失業手当が振り込まれる

参考│厚生労働省 ホームページ

Aさんのように早期退職に応募し会社都合の退職と認定されても最初の1ヵ月は雇用保険の振り込みはゼロ。

退職後の資金計画にはこのことを十分に考慮する必要ありです。

要注意│退職しても支払いが止まらない

退職後は失業給付金から収入で当面の生活は可能。
まずは一安心です。

金銭的な不安がなくなりすっかり安心した様子のAさん。

ちょっと待って!
退職後も止まらない支払いがあるよ。

収入のことばかり気にして支払いのチェック、忘れていませんか。

あなたが会社を退職し収入がなくなっても止まらない支払いがあるんです。

それは社会保険料、具体的には次の通り。

  1. 健康保険
  2. 住民税
1.健康保険│会社負担がなくなり倍増

日本には国民皆保険制度がありますので、退職後は転職先の健康保険もしくは国民健康保険に加入する必要があります。

転職先が決まっていない場合、手続きをすれば現在加入中の健康保険に最長2年間の継続が可能。

ただし、会社負担分はなくなりますので保険料はほぼ倍額にアップです。

えっ! ただでさえ高いと思っていた健康保険料が倍額!?
それなら国民健康保険に切り替えようかなぁ。

ちょっと待って!
国民健康保険の保険料は前年度の所得で決まるよ。

ということは、退職後の収入が少なくなった状態は反映されず会社の健康保険の保険料より割高になることが一般的です。

つまり在職時の倍額支払っても、会社の健康保険を継続した方がお安くなる場合がほとんど。

退職時に転職先が決まっていない場合、「今の健康保険料の倍額」は必要経費として考えておく必要ありです。

2.住民税│背後から追ってくる嫌なヤツ

失業給付金は非課税。
と言うことは転職先が決まるまで税金の支払いはないよね。

ちょっと待って!
住民税を忘れているよ。

住民税は後払いってことを思い出しましょう。
新入社員の時の給与明細、所得税だけだったことは覚えてる!?

住民税の支払いは1年後、つまり今の支払いは昨年の分、今年の退職前までの給料にかかる住民税の支払いは来年です。

仮に転職先がしばらく決まらなかったとしても、住民税の支払いは退職の翌年まで続くことに。

退職後の経済設計に忘れてはならない支出、住民税&健康保険。

やめてからパニックにならないように事前の確認は大事というより必須事項。

ちなみに早期退職を検討中のAさん、退職後のライフプランで大きな支出はない予定、失業給付金だけでもなんとか黒字の見込み。

安心して早期退職に応募できそうです。

安心して日本は社会保障が充実してるよ

もしも、まさかがやって来たらどうなる?
無職で失業給付金が切れたらオレの人生は終了かい?

いつも強気でイケイケドンドンのAさんらしからぬコメント。

誰もが初めての早期退職、慎重になるのも無理ないですね。

でもご安心あれ、日本は社会保障が充実している素晴らしい国です。

飢えて道端で倒れて死んでいる人、見たことないっすよね。

いざとなったらこんな制度が役に立ちます。

  1. 生活保護
  2. 住宅確保給付金
  3. 障害年金
1.生活保護

万が一、生活資金に困る状態になっても日本には救済制度があります。
まずは窓口に相談してみましょう。
厚生労働省 ホームページ

2.住宅確保給付金

賃貸住宅に住んでいて家賃の支払いに困った場合、助けてくれる制度です。
明日から住むところがなくなる、なんて事態がおきないように救済してくれます。
厚生労働省の説明動画

3.障害年金

もしも病気やケガのために働けなくなって収入が激減した場合、年金受給年齢前でも受け取れるのが障害年金です。
病気の人にも優しい国、それが日本です。
日本年金機構 ホームページ

今は詳しいことを知らなくてもOK。いざという時に助けてくれる制度がある、そのことを知っているだけでも安心ですね。

まさかにおびえて現状に縛られるよりも、安心安全な制度を知って自分の生き方を選択した方が後悔しない生き方かもしれません。

社会保証のことを知ったAさん、安心して早期退職の決心を固めたようです。

サラリーマンのメリットを使いこなそう

残り少ないサラリーマン生活、最後にやっておくことってあるかなぁ。

早期退職の決心を固めたAさんからの追加の質問がきました。

これ実はとても大事な問題だけど見落としがち。

良い悪いは置いといて、会社の肩書がなくなると社会的な信用は「ゼロ」になります。

あなたの人間性や持っている資産に関わらず「セロ」です。

なので在職中の最後にすべきは次の3つ。

  1. クレジットカードをつくっておく
  2. 引っ越す必要があるなら引っ越しておく
  3. 健診を受けておく
1.クレジットカードをつくっておく

クレジットカードは信頼の証、なので「無職=社会的信用ゼロ」と判断する現代社会では退職後にクレカは作れません。

このことは、2チャンネル創設者・ひろゆきさん、マクドナルド出身の講演家・鴨頭さんもYouTubeで語っていましたので事実のようです。

クレカ年会費の見直しも含め、必要なクレカは在職中に作りましょう。

2.引っ越す必要があるなら引っ越しておく

現在社宅にお住まいであれば退職と同時に権利消失、当然ながら今の家には住めません。

不動産業界も金融業界と同様に会社組織に属していない人は信用してくれません、つまりいくらお金を持っていても借り難いということ。

早期退職の募集は急かもしれませんが、退職日まで数ヵ月の猶予はあるはず。

会社員のうちに転居先の契約を済ませておきましょう。

単身赴任中のAさんは地方にある自宅へ戻るだけなので心配ないはず。 と思ってましたが、自宅には戻らず都会で次の仕事を探したいとのこと。

早速不動産サイトをチェックしていました。

3.健診を受けておく

検診を受けておいた方が良いって、転職先に診断書を出す必要があるの?

いや健診のススメは会社のためではなく、自分自身のためです。

会社員であれば加入している「厚生年金」、退職と同時に継続不可です。

この時に問題になるのが「障害厚生年金」の受給資格。

「障害厚生年金」で障害認定を受けた病気の事例は次の通り。

  • がん
  • 脳疾患
  • 心臓病
  • 緑内障
  • 白内障
  • 鬱病 など

退職後にこれらの病気にかかった場合、受給資格があるのは「障害基礎年金」のみ、「障害厚生年金」は加入中でないので受給できません。

誰でも高齢になると病気のリスクは高くなるもの、
と言うことは50代の早期退職は無謀なのかなぁ?

いやいやその対策としての健診のススメです。

障害厚生年金は加入期間中の発病であれば退職後でも受給資格あり。

つまり病気の初診が在職中であると医療機関に記録があれば申請できるのです。

50代後半のAさん、いつも元気で体力には自信アリですがちょうど良い機会と捉え人間ドックを予約していました。

退職すれば会社で実施している毎年の定期健診がなくなります。

次の職場で元気良く活躍するためにも退職前の健康チェック、オススメです。

まとめ

この記事では、会社からの早期退職の提案に応募するか迷っていた友人のAさんのために調べた、退職後のお金の問題や安心安全の社会保障制度について紹介しました。

お金は生活していくための必需品、いくら貯金があっても日々減っていくばかりでは不安が募ります。

そんな時に頼りになるのが失業給付金、いつからどれくらい何日間もらえるのか、退職前にしっかり計算して経済プランを立てましょう。

退職後の支出で忘れがちなのが住民税、失業給付金は非課税ですが住民税は昨年分の後払い、健康保険料と合わせて経済プランに組み込む必要ありです。

収入が在職時のほぼ半額になる失業給付金、もしものことを考えると不安になると思いますが、日本は社会保障が充実していることを覚えておくと安心です。

サラリーマンは会社のおかげで社会的信用は抜群、もしやめることを決意したら、信用が必要なクレジットカードの契約、引っ越しは済ませておいて方が無難です。

サラリーマンであるうちに健康チェックも忘れずに、万が一の時もらえる年金額が変わります。

誰もがいつかはむかえる退職の日、定年退職の人以外は決断に至るまでにさまざまな想いがあることでしょう。

どうか悔いのない人生の選択をしてほしいです。

友人のAさん、私のアドバイスで不安が解消、安心して早期退職に応募するとのこと。

Aさんの元気な営業がどこかで蘇る日は近い、私はそう信じています。

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